第二幕 人格形成教育

-写経が育てた、六代目順一の知の世界-

 
第一の木箱には、
歴史書、
文学、
漢学、
武士道、
教訓集など、
 
性格の異なる写本が
数多く収められていました。
 
一見すると、
それらは無関係な学習資料
のようにも見えます。
 
一冊だけを見れば、
そこに特別な意味を見いだすことは
難しいかもしれません。
 
しかし、
一冊ずつ丁寧に読み進めていくと、
そこには
共通した一つの流れが見えてきます。
 
国家を知る。
歴史を知る。
人物を知る。
志を知る。
そして、自らを律する。
 
それぞれの写本は
異なる題材を扱いながらも、
一人の人格を育てるという一点で
静かにつながっていました。
 
この木箱は、
単なる写経集ではありません。
 
そこには、
六代目順一の
青年期に積み重ねられた
人格形成の歩みが、
一冊一冊の写本という形で
残されていたのです。
 
この木箱に収められた
一冊一冊を読み解いていくと、
そこには、
さらに興味深い教育の意図が
静かに見え始めます。
 
人格を育てる教育の背景には、
さらに深い教育思想が存在していた
可能性があります。
その姿を、次の幕で見ていきます。
 

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-日本画手本が育てた、「見る力」-
 

【本企画について】
本アーカイブは、
上野家に伝わる史料・写真・記録類をもとに、
歴史資料として再構成した特別企画です。
・文章構成・編集:歴史アーカイブ制作チーム
・史料提供・内容監修:上野拓也
(株式会社上野 代表取締役)