第四幕 五代目松次郎教育思想
-後継者に何を学ばせようとしたのか-
第二幕では、
第一の木箱に残された写経群から、
六代目順一の
青年期における知の世界を見てきました。
第三幕では、
第二の木箱に残された日本画手本から、
自然や人物を丁寧に観察する
「見る力」
の教育を見てきました。
この二つの木箱を並べて考えると、
そこには単なる学習資料の集まりを超えた、
一つの教育思想が浮かび上がってきます。
それは、
後継者に知識だけを与える教育
ではありませんでした。
国家を知ること。
歴史を知ること。
人物を知ること。
志を持つこと。
自らを律すること。
そして、
自然や人間を静かに見つめる
感性を養うこと。
五代目松次郎が
順一に学ばせようとしたものは、
商売の技術
だけではなかったのではないでしょうか。
むしろ、
家を継ぎ、
地域を担い、
社会に向き合うための、
一人の人格者としての
土台を育てようとしていた。
二つの木箱は、
その可能性を静かに語りかけています。
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-教育は、その後の人生にどう現れたか-
【本企画について】
本アーカイブは、
上野家に伝わる史料・写真・記録類をもとに、
歴史資料として再構成した特別企画です。
・文章構成・編集:歴史アーカイブ制作チーム
・史料提供・内容監修:上野拓也
(株式会社上野 代表取締役)